レッスン「モーツァルトへの手紙」

作文1回目

 たららららん、たららららん、たらららたらららたらららららん、たったたーらったったたーらったったたーらったったったん。

 たーらっ、たったーたららららん。たーらっ、たったーたららららん。たーらっ、たったーたららららん。たーらっ、たったーたららららん。

 たららららん、たららららん、たらららたらららたらららららん、たった、たーらったったったったったったったったったん、たららららんっ。

 たーらったん、たーらったーらったーらったーらったったったーらん、たーらったん、たーらったーらったーらったったーたーらったんっ。

 あなたの作ったこの曲が好きなのですが、どうしても題名が思い出せないのです。「何たら行進曲」でしたかな。失礼ですが、答え合わせのご返事をお待ちしております。

講義の感想

「誤用」か「乱れ」か、それとも「正しい用法」か、それを決めるのは、ただその用法が多数の人によって採用されるかどうか、だけにかかっています。今日の「誤用」は明日は辞書に載り、やがてだれも目くじらを立てなくなる可能性を秘めているのです。

 文章も自己表現のひとつです。「正しさ」に縛られて何も書かないよりは、思いついたことをどんどん言葉にしてみればいい。最終的に、伝えたい人に伝われば目的は達成したといえるから。

 どうも私は承認欲求が強くていけません。気の利いたことを書きたいと思うあまり、筆が進まなくなることがあります。たまにうまいこと書けたと思っても、読み返してみると大したことありません。私は「正しさ」よりも、過剰な「自意識」に縛られているようです。私の本質は凡人であることを許しません。もう少し自分のハードルを下げてあげたいと思います。

作文2回目(講義の後)

 先日はご返事をいただきまして大変ありがとございます。「トルコ行進曲」でしたね。好きです、「トルコ行進曲」。

 しかし、あなたも相変わらず下らない猥談がお好きなようですね。この曲名にたどり着くまでに、何度辱められたかわかりません。馬鹿と天才は紙一重とは、あなたのためにある言葉なのだろうと感心してしまいました。

 ところで、同封されていた、私の手紙に赤ペンが入れてあるものについても、拝見させていただきました。あなたの作品に対する愛がひしひしと伝わってきました。芸術家とその芸術作品との繊細な関係に配慮を欠いた、大変軽率なことをしてしまったと猛省しております。

 今後は〈たららららん〉ではなく、〈たたたららん〉であることをしかと胸に刻んで聴くことを誓いますので、どうかお許しくださいませ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました