2021-11

三島由紀夫

サド公爵夫人・わが友ヒットラー

この2つの作品は戯曲、つまり、演劇の上演のために執筆された脚本である。先に「サド公爵夫人」が執筆され、対をなす作品として「わが友ヒットラー」が執筆された。これは四六駢儷体を愛する作者のシンメトリー趣味であって、大した深い意味はないらしい。ま...
三島由紀夫

音楽

この小説は、精神分析医である汐見和順の「『音楽』と題する、女性の冷感症の一症例に関する手記」という体裁をとっている。『音楽』の内容は、不感症に悩む或る女性患者の治療を通して、彼女の深層心理の謎を探っていく過程を記録したものであるが、いわゆる...
三島由紀夫

絹と明察

この物語は対照的な二人の男の出会いから始まる。一人は駒沢。紡績会社の社長であり、近代的なアメリカ流の経営が主流となっている業界において、日本古来の家族主義的経営によって、大企業に迫る成長を遂げている。一人は岡野。若い頃にドイツ哲学を学んだ知...
三島由紀夫

美しい星

この題名を見たとき、私の頭に浮かんだのは、星新一のSF小説だ。読書に乏しい私の人生において、唯一読んだと言える作家、星新一。鋭い洞察力と豊かな創造力で描かれた、風刺画のような世界観は、毒があるけど読みやすく、落ちは毎回予想外で、子どもながら...
三島由紀夫

宴のあと

本書は、高級料亭の女将かづが、熟年恋愛により巻き込まれた東京都知事選と、その後の人生の選択を描くことにより、政治の本質をアイロニカルに表現した作品である。モデルとなった東京都知事候補の有田八郎と三島由紀夫の間で、「プライバシー」と「表現の自...