川端康成 山の音 『山の音』は、最初から起承転結を持つ長編としての構想がまとめられていたわけではなく、1949年(昭和24年)から1954年(昭和29年)にかけ、複数の雑誌に断続的に各章が連作として書き継がれた。それら全16章を収録した『山の音』が刊行され... 2022.03.27 川端康成
川端康成 千羽鶴 お茶の世界は、日本人の美学を凝縮したような世界というイメージがあり、いつか岡倉天心にも手を伸ばそうと考えていた。 しかし、このお茶の世界を題材にした本作品は、そんな清楚な美からは大きく外れた、俗悪な人間関係の中で物語が展開する。 ... 2022.03.27 川端康成
川端康成 名人 本作は1938年6月26日から12月4日にかけて打ち継がれた、21世本因坊秀哉名人の引退碁を観戦記者からの視点で描いた記録小説である。名人は引退碁の翌々年1940年1月18日に満66歳で生涯を閉じた。 川端康成は実際の引退碁にお... 2022.03.27 川端康成
川端康成 愛する人達 同時期に、雑誌『婦人公論』に連載された短編は9編が収録されている。表題の通り、「愛」が主題となっており、そのヒロインたちは「純潔な少女」という点で共通している。 「掌の小説」にしても、この「愛する人達」にしても、川端康成の短編はほん... 2022.03.27 川端康成
川端康成 掌の小説 「掌」には、「掌に収まるほど短い」という意味があり、その表題通りの短い物語が百話以上収録された作品集である。膨大な量に思えるが、玉石混淆などではなく、すべての作品に魅力のある宝石箱だ。 日記のようなものから、ファンタジーまで形式は様... 2022.03.27 川端康成
川端康成 雪国 『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。』 本を読んでこなかった私でも知っている有名な書き出しである。このたった一文で引き込まれる。この効果がこの一文を有名にしている所以であろう。九州で生きてきた私にとって、雪国というのは未知の... 2022.03.27 川端康成
川端康成 抒情歌 抒情とは自分の感情を述べ表すことである。この作品は、ある霊感を持つ女が、かつて自分を捨てた男の死を知り綴った、手紙のような形式をとっている。 内容は、自身の過去の記憶や男への感情に加え、西洋東洋の宗教をふまえた、独自の死生観について... 2022.03.27 川端康成
川端康成 伊豆の踊子 ぼくにとって最初の川端康成作品。 伊豆へ一人旅をしていた学生が、旅芸人の家族と出会い、同行をしながら仲を深め、旅先での別れまでを描いた短編小説。 これは、川端氏自身が実際に体験した話である。 〈二十歳の私は自分の性質が孤... 2022.03.27 川端康成
三島由紀夫 豊饒の海 〈世界解釈の小説〉を目指して、1965年(昭和40年)6月からこの小説を書き始めた三島由紀夫は、最終巻の入稿日1970年(昭和45年)11月25日に、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した。 三島由紀夫という人物は、この割腹自殺という... 2022.01.03 三島由紀夫
三島由紀夫 憂國 三島由紀夫の短編小説であり、代表作の一つで、二・二六事件の外伝的作品である。〈愛と死の光景、エロスと大義との完全な融合と相乗作用は、私がこの人生に期待する唯一の至福〉と三島は語っており、これはフランスの思想家ジョルジュ・バタイユの『エロテ... 2022.01.03 三島由紀夫