三島由紀夫 花ざかりの森 三島由紀夫の短編小説、「序の巻」「その一」「その二」「その三(上)」「その三(下)」の5章から成っている。 『花ざかりの森』というのは、フランスの詩人シャルル・クロスの「小唄」からとられたもので、「内部的な超自然な〈憧れ〉というもの... 2022.01.03 三島由紀夫
三島由紀夫 サド公爵夫人・わが友ヒットラー この2つの作品は戯曲、つまり、演劇の上演のために執筆された脚本である。 先に「サド公爵夫人」が執筆され、対をなす作品として「わが友ヒットラー」が執筆された。 これは四六駢儷体を愛する作者のシンメトリー趣味であって、大した深い意... 2021.11.11 三島由紀夫
三島由紀夫 音楽 この小説は、精神分析医である汐見和順の「『音楽』と題する、女性の冷感症の一症例に関する手記」という体裁をとっている。 『音楽』の内容は、不感症に悩む或る女性患者の治療を通して、彼女の深層心理の謎を探っていく過程を記録したものであるが... 2021.11.03 三島由紀夫
三島由紀夫 絹と明察 この物語は対照的な二人の男の出会いから始まる。 一人は駒沢。 紡績会社の社長であり、近代的なアメリカ流の経営が主流となっている業界において、日本古来の家族主義的経営によって、大企業に迫る成長を遂げている。 一人は岡野。 ... 2021.11.03 三島由紀夫
三島由紀夫 美しい星 この題名を見たとき、私の頭に浮かんだのは、星新一のSF小説だ。 読書に乏しい私の人生において、唯一読んだと言える作家、星新一。 鋭い洞察力と豊かな創造力で描かれた、風刺画のような世界観は、毒があるけど読みやすく、落ちは毎回予想... 2021.11.03 三島由紀夫
三島由紀夫 宴のあと 本書は、高級料亭の女将かづが、熟年恋愛により巻き込まれた東京都知事選と、その後の人生の選択を描くことにより、政治の本質をアイロニカルに表現した作品である。 モデルとなった東京都知事候補の有田八郎と三島由紀夫の間で、「プライバシー」と... 2021.11.03 三島由紀夫
三島由紀夫 鏡子の家 朝鮮戦争の特需がおわり、不況となった経済が、再びうわむきに好転しはじめた時代。 人々の生活は均されて、大きな機械の歯車のように、毎日同じ事を繰り返す人生。 そこに生きる意味はあるのか。 鏡子の家に出入りする、4人の青年た... 2021.10.12 三島由紀夫
三島由紀夫 金閣寺 1950年7月2日、国宝・金閣寺は全焼した。犯人は、見習い僧の青年である。 なぜ青年は金閣を燃やしたのだろう。 その疑問に三島由紀夫が出したひとつの答えがこの「金閣寺」という小説である。 事実を題材にした三島氏の作品は、... 2021.10.12 三島由紀夫
三島由紀夫 美徳のよろめき 人妻の姦通を描いた作品で、ベストセラーとなり、映画化もされ、「よろめき」が流行語になるなど、多くの大衆読者を獲得した作品である。 ヒロイン節子が結婚前に接吻をした相手である土屋と再会し、逢引を重ねる内に、肉体的な快楽と精神的な愛情の... 2021.09.12 三島由紀夫
三島由紀夫 沈める滝 主人公の城所昇は、祖父が残した財産と美しい外見、優秀な頭脳を持ち合わせた27歳の青年である。ここまで恵まれた境遇がありながら主人公たりえるのは、やはり何か一種の異常性を持っているからに他ならない。 彼は孤独であった。愛情というものの... 2021.09.11 三島由紀夫