川端康成

川端康成・三島由紀夫往復書簡

昭和20年から昭和45年の25年に渡る師 弟関係にあった文豪二人の書簡集。 昭和20年と言えば、三島由紀夫は20歳。大学卒業を控え、文壇入りに意気込んでいた時期である。そんな中、川端康成をたいぶ頼りにしていたようだ。尖りにとがった批...
川端康成

川端康成初恋小説集

初恋小説集の「初恋」とは、川端康成が22歳の時に婚約した、当時15歳の伊藤初代との交際のことを指す。この交際から婚約、そして婚約破談までを事実に基づき描いた作品群は、「ちよもの」と呼ばれ、小説や紀行文、随筆など様々なジャンルで描かれている...
川端康成

古都

〈古い都の中でも次第になくなってゆくもの、それを書いておきたいのです。〉 これは、川端康成が文化勲章の記者会見で『古都』の執筆動機について語った言葉だ。その示す通り、『古都』は全9章からなり、「春の花」「尼寺と格子」「きものの町」は...
川端康成

眠れる美女

『眠れる美女』は、『舞姫』から始まり、『みづうみ』へと続いた「魔界」のテーマに連なる、川端の後期を代表する作品で、全5章から成る中編小説である。 ある海辺の宿では、既に男としての機能を失った老人たちに、全裸の娘と一晩添寝する逸楽を提...
川端康成

女であること

川端康成の作品は、霞がかった幻想的な世界に、漂い流れていくような読書感がある。この夢の中のような浮遊感は、もののあわれの『雪国』や『山の音』でも、魔界の『みづうみ』や『眠れる美女』でも、共通していたように思う。 しかし、この『女であ...
川端康成

みづうみ

〈湖の多くは遠いむかし地の奥から火を噴きあげた火口に水をたたへてできた。火はしづまる時が来るが、水には時がない。〉 『みづうみ』発表から7年後、川端は編集を担当した写真集『湖』の「まえがき」で、湖について述べた一文である。 こ...
川端康成

舞姫

「仏界易入 魔界難入(仏界入り易く、魔界入り難し)」 これは、とんちでお馴染み、「一休さん」こと、一休宗純の言葉である。 川端康成は、この言葉に深い感銘を受け、「舞姫」の主題として用いている。このテーマ、特に〈魔界〉という言葉...
川端康成

虹いくたび

建築家の父、水原と母が異なる三人の娘、百子、麻子、若子。顔も性格も全く違う三姉妹。百子の母は、自殺した。水原と唯一結婚した麻子の母が、百子と麻子を育て、その麻子の母も亡くなり、現在は、水原、百子、麻子は東京に3人で生活している。若子は元芸...
川端康成

山の音

『山の音』は、最初から起承転結を持つ長編としての構想がまとめられていたわけではなく、1949年(昭和24年)から1954年(昭和29年)にかけ、複数の雑誌に断続的に各章が連作として書き継がれた。それら全16章を収録した『山の音』が刊行され...
川端康成

千羽鶴

お茶の世界は、日本人の美学を凝縮したような世界というイメージがあり、いつか岡倉天心にも手を伸ばそうと考えていた。 しかし、このお茶の世界を題材にした本作品は、そんな清楚な美からは大きく外れた、俗悪な人間関係の中で物語が展開する。 ...
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